Victoriaの日記

Victoriaのつれづれ日記です。

2014年07月

こんにちは。Victoriaです。

さ~て、
お待たせしました。



今回の「知床旅情」最大の山場、




発情期のヒグマの生態について




めっちゃオモローな話をガイドさんから聞いてきました。




現場はここ。









この辺りに、
一面水芭蕉の生えている地点があって、




そこで、
今年の7月1日から4日までの3日間、
オスのヒグマがど~んと居座って、
すべてのツアーが中止になったそう。



CIMG3661




ヒグマは偏食だという話は、
すでにした通り→知床旅情 (8) なぜヒグマが遊歩道に出没するようになったのか?

 



ここには、
水芭蕉がた~っぷりあったので、
3日間食べ続けることができたわけだけど、




問題は、
オスのヒグマは一人じゃなかった。





メスを連れてきた。




 いやあ、
なんか、
感動しちゃって。





「おいしい水芭蕉のある場所みつけたよ、ボクと一緒に来ない?」




 
って言って、
メスの気をひいてるわけでしょ?





・・・ということで、本日の結論 :




オスが食い物でメスを釣るのは自然界の掟。





オスのヒグマが、
食い物でメスを釣ってるというだけでも大興奮なのに、
さらにVictoriaをヒートアップさせた話がありまして、




なんと!
メスを連れ込んだオスのヒグマ、
三日間、
全部相手が違うメスだった。







 
ホンマですか???





そこんとこ、
あ~そうですかで済ますことはできないので、
食い下がりましたよ、私、





鈴木さんに、
しっかり確認したところ、




鈴木さん自身の目で見たそうです。





「一日目は明らかにカップルかな~って感じの釣り合いのとれたメス(つまり図体がでかい)だったんだけど、
二日目は親子かと思うくらい若い相手だったんですよ~」





う~ん、
そうだったのか・・・





初日は熟女で保険をかけ(たぶん妊娠しやすい)、
二日目は若いコに行きましたか・・・





実は、
知床国立公園では、
常時、
3頭のオスのヒグマにGPS発信器を取り付けているんだそうで、





その一つの理由が、




ヒグマの寿命を確認するため。





いまだに、
ヒグマの寿命がわかっておらず、





というのは、
ケガや事故を除くと、
自然死したヒグマの死体というのを、
見た人間がいないから。





ネコも人間に死骸を見せないっていうけど、
野生動物って、
自分の死期を悟って、
身を隠すのかな・・・





ガイドの鈴木さんによると、
おそらく、
冬眠の巣穴の中で死んでいくので、
人間には見つけようがないんじゃないか。




なので、
春になって冬眠から醒めるはずの時期になっても、
GPSが動かない時には、
死んだのかも?と思って、
GPSを回収に走るらしいんだけど、





たいてい、
成長して首回りが大きくなったヒグマから落ちたGPSが残されているだけだった・・・





発情期(6月頃)のオスのヒグマの行動は、
GPSで追っていても、
めちゃくちゃで、





何の脈絡もなく、
ただメスを求めて放浪しているんだそうだ。





うまくメスに遭遇することができたとしても、
すべてのメスに受け入れられるとは限らない。





ヒグマは、
子離れするのに1年半くらいかかるので、
前年に出産したメスは、
子育てに忙しく、
交尾どころの騒ぎではない。





なので、
オスが迫ってくると、
全力で逃げるんだけど、





どう猛なオスは、
メスが連れている小熊を殺してしまうこともあるんだとか。





そういうオスから逃れるため、
知床半島の賢いメスのヒグマたちは、
人間の庇護に入ることを考えついた。





つまり、
遊歩道上で人間に会うと、
人間の方で逃げてくれて、
心置きなくエサを食べさせてくれるので、
かえって安全。




ということで、
ここ数年、
子連れのメスが、
安全地帯を求めてやってきて、
遊歩道をエサ場にしているんだとか。





賢いね・・・





虎の威を借る狐のヒグマバージョン?





が、しかし、





この話には続きがありまして、





そういうメスの作戦が、
ついにオスにばれたらしく、





今年に入って、
メスにならって、
オレも遊歩道をエサ場にしよう!というオスが現れた。





それが、
最初に紹介した、
三日間居座ったオス(ということで、やっと話は元に戻る)。





そう考えると、
ヒグマ活動期の今、
いかにキケンかということがよくわかる。




発情したオスは、
やたらめったら歩き回り、
普段なら行かないようなところへも入り込むし、





妊娠してもいいな❤と思っているメスは、
オスを受け入れ、恋が成就するけれど、





子育て中のメスは、
オスから逃げようと必死になり、
気がたっているから、
人間に対しても攻撃的になりうる。





・・・ということで、本日の結論 :





ヒグマがキケンになる要因は、




1 食べ物
2 恋
3 子ども





人間も同じじゃん!




てゆーか、
鈴木さんって、
ヒグマ語がわかるみたいだね・・・






Victoriaでした。










 

こんにちは。Victoriaです。

さて、
いきなりヒグマに遭遇して、
ドキドキしていた私ですが、
結論から言うと、
遊歩道ではヒグマに遭いませんでした。




もしも遊歩道にヒグマが出没したら、
その場でツアーは中止となり、
コースを逆走してスタート地点へ帰ることになるんだそうで、




ガイドの鈴木さんは、
いままで120回くらいガイドをこなしているんだけど、
ヒグマ遭遇率は30%くらいだそう。




直近では、
1週間前くらいにオスのヒグマに遭遇したそうで、
その話はめっちゃオモローなので、
後でまた改めて書きます。





遊歩道は、
全長3キロくらいで、
距離は大したことないんだけど、





すごくコースがおもしろくて、
原生林の雰囲気を楽しめるので、
ゆっくり歩いていて全然飽きないのでオススメ。




ヒグマ活動期以外は、
ガイドツアーに参加しなくても(高いガイド料払わなくても)、
自由に散策できるらしい(でも、雪が深くて歩くの大変なんじゃないかと思われる)。





遊歩道入り口。




CIMG3635



雨なのでこんなでっかいキノコが。



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自然の神秘について、
熱く語る鈴木さん。




CIMG3641





湖。




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五湖だから、
こんな湖が5つある。



CIMG3646




キケンを知らせる看板。




細かいことだけど、
ただ「北海道」だけしか書いてないって、
なんか雑じゃない?




とか言っていたら、
鈴木さんが、
いやいや、
ナゾなのはこっちの看板ですといって教えてくれたのがこれ、




CIMG3654




この看板が、
五湖全部に立っているんだけど、
ぜ~んぶ、



標高(239M)と水深(3.0m)が同じなんだそうだ。





どれどれ?



CIMG3662


 

ほんとだ・・・




標高は明らかに全部違うし、
水深だってもっと深いのも浅いのもあって、




鈴木さんいわく、




誰がこんなでたらめな看板立てたのか、
調べてみたけどわかんないんだって。





明らかに、
北海道のお役所仕事のはずなんだけど、
いろいろ調べてみても、
看板作成にお金を出した形跡がない。




だったら、
撤去して、
新しいのを立てればいいのにね・・・




このキノコもいっぱい見たんだけど、



CIMG3647

 


これは食べられるんだそうで、
普通にスーパーに売ってるらしい。




 湖の中にちっちゃな島があって、




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この島の上でヒグマが発見されたこともあるんだとか。





ヒグマの水浴びってダイナミックだろうな・・・





Victoriaでした。 

こんにちは。Victoriaです。

さて、
ガイドツアーの定員は10名なんだけど、
私の参加したツアーは、
雨だったからか、
たったの3人で、




私を除く残りの二人は、
たまたまシャイな男性。




ガイドさんに、
いろいろ積極的に質問するタイプではなかった。




ので、
3時間のツアー、
ほぼ、
ガイドさん独占状態でした♪




デートしたのと同じくらいの密度の濃さ!!!!!




鈴木さんは、
さすがガイドナンバー1と言われるだけあって、
次から次へとインフォメーションが流れるように出てくる方なんだけど、
さらに次から次へと質問を浴びせるように投げかけたので、
鈴木さんのテンションも上がりまくり、




おかげで、
私、
今ではちょっとした「ヒグマ博士」です(たぶん)。




まず、
まっ先に聞いたのが、





「なぜ、ヒグマが遊歩道に出没するのか?」




ヒグマにとって、
人間はおいしいエサではない。




なので、
できれば人間との遭遇は避けたいはず。





それなのに、
なぜ、
人間がいるとわかっている遊歩道に現れるんでしょうか?




これには、
長い歴史がありまして、





そもそも、
知床が国立公園に指定された50年前、
あるいは、
知床五湖に遊歩道ができた当初、
ヒグマは今ほど頻繁に人間の近くに下りては来なかった。




なぜなら、
山に十分な食糧があったから。




しかし、
ヒグマと並んで保護されていた「エゾシカ」が、
異常に増えて、




エゾシカとヒグマの食糧は、
かぶっていたので、




冬眠から醒めたヒグマが、
さあ、食べ物を探そう!と思っても、
冬眠しないエゾシカに食べられた後で、
何も残っていない。




なので、
仕方なく、
食べ物を求めて、
人間と遭遇するキケンを犯してまで、
山から下りて来たんだそうで、




ヒグマは、
もともとは肉食動物で、
エゾシカも本来ならヒグマの餌食になるところなのだが(実際、時々餌食になる)、
環境に対する適応性のありすぎるヒグマ、
エゾシカを追いかけて、
無駄足踏むリスクを犯すくらいなら、
確実に食べれる食糧を探した方がいい。




ということで、
近頃は、
これを主に食べているそうです。




CIMG3611




水芭蕉。





水芭蕉って、
歌にもなってるくらい、
美しい可憐な花っていうイメージだけど、
実は根っこのところが、
里芋みたいになってて、
ヒグマの大好物なんだって。





鈴木さん、
試しに食べてみたそうなんだけど、
ピリピリした毒があって、
人間には食べられない代物だった。




それで、
この水芭蕉が、
遊歩道に大量に咲いているので、
人間がいっぱいいるにも関わらず、
日中からヒグマがやってきて、
むしゃむしゃ食べているのだとか。




なるほどね・・・




ヒグマの行動は、
すべて、
食べ物に誘導されていたのね・・・





ちなみに、
エゾシカは増えすぎたということで、
現在は駆除されているそうで、





エゾシカバーガーとかになってるらしい。





ホントは、
自分たちの食糧が荒らされたからといって、
怒ってエゾシカを攻撃してもいいくらいなんだけど、
そうならないところが、
ヒグマの平和主義的な性格のなせる技で、




じゃあ、
今は、
ヒグマがエゾシカを食べることはないの?




と聞いてみたところ、




普通にヨーイドン!で走ったら、
ヒグマはエゾシカにかないっこないんだけど、




ある条件の時だけは、
ヒグマの方が速く走れるんだそうで、




ひとつは、
雪が積もっている時。




エゾシカの足が、
雪にとられて、うまく走れない時を狙って、
ヒグマが襲うことがある。




もうひとつは、
エゾシカが子鹿を連れている時。





子鹿は足が遅いので、
ヒグマに狙われたら、
ひとたまりもない。




なので、
そういうレアな時は、
ヒグマが、
エゾシカの肉をむしゃむしゃ食べている光景に出くわすそうです。



ただでさえ、
食糧確保が困難になっているところに、
今年はさらにヒグマにとって悲劇が発生、




5月の気温が低かったので、
水芭蕉の成育が3週間ほど遅れた。





そこで困ったヒグマちゃん、
なんと!
ふ化直前のセミの幼虫に目をつけた。





北海道にもセミはいて、
ただ、気温が低いため、
夜脱皮できないので、
昼間に脱皮するらしく、
それも、
すごく低い場所で脱皮するので、
人間が簡単に手を伸ばして取れるところによく抜け殻がついているんだけど、





ヒグマは、
脱皮直前のセミの幼虫の臭いを察知して、
土を掘り起こして、
むしゃむしゃ食べているそうです。





なので、
今年はセミにとっては受難の年。




ガイドさんによると、
セミはそういうこともよくわかっているので、
脱皮する時には、
一斉に土から出てくるんだそうで、




大量に出てくれば、
食べられるものがいても、
何匹かは難を逃れるだろうっていうんだけど、
自然の摂理って厳しいね・・・





今日の流れをまとめるとこうなります。





エゾシカが増える→ヒグマのエサが食べられてしまい、ヒグマ放浪→あら、遊歩道においしい水芭蕉があるじゃん。あれ食べよ→人間と遭遇すること多数





あと、
ヒグマは偏食で、
これを食べると決めたら、
一つの食品ばかりずーっと食べる習性があるので、





今年はセミと決めたら、
ずーっとセミなんだとか。




遊歩道には、
普通にヒグマの足跡があり、
木には爪痕なんかも。



CIMG3643




↑わかります?
幹に爪痕が残ってる。






ヒグマって、
結構、木登りするんだ・・・





Victoriaでした。


 

こんにちは。Victoriaです。

さて、
ヒグマに遭遇した興奮さめやらぬ中、
知床五湖フィールドハウスに到着。



雨は、
相変わらずバシャバシャ降ってますが、
ツアーは決行される模様。



受付で、
長靴を借ります(ぬかるんでいるところが多いので、長靴でないと歩けない)。



  CIMG3632



ガイドツアーは、
定員10名で、
予約が必要。




料金もお高く、
私のツアーは5000円でした。




ガイドさんはたくさんいて、
いろんなタイプの人がいるので、
合う合わないの相性があると言われましたが、
私はたまたまガイドナンバー1と言われるこの方、




CIMG3634





鈴木さん。




なんかね、
知床来てからお世話になったガイドさんが、




佐藤さん→田中さん→鈴木さん
 



の3人で、
全然北海道を感じさせない普通の名字であることに、
ある意味衝撃を受けたんですが、





鈴木さんなんて、




「すずきけんいち」




さんですから、
普段から子どもと接することが多くて、
いわゆる「キラキラネーム」慣れしているので、
逆に新鮮でした。




ここでレクチャーを受けます。






内容は、





ヒグマの生態について。




 
これは、
ガイドツアーを全部終わってみてわかったことなんだけど、
知床国立公園というのは、
全体が、
ヒグマの生息地でありまして、
人間は、
いわば、
ヒグマさまのすみかにゴメンね~と言って、
入らせていただくようなものなので、





いかに、
ヒグマを驚かせないか、
もし出会ったとしても、
いかに、
お互い危害を与えず平和的に別れるか、というのは、
今後の知床国立公園の存亡に関わる一大事なわけで、





実際、
レクチャーで、





「食べ物は持ち込まない」




と注意されて、
何気にリュックの中を見たら、
さっきコンビニで買ったバナナ(アホな私はガイドツアー中にお腹がすいたら食べようと考えていた)があったり←すぐに没収された




レクチャー大事だなと実感。





終わると「立入認定証」が交付されます。









さあ、
許可も出たし、
レッツゴー!




CIMG3633






Victoriaでした。
 

こんにちは。Victoriaです。

さて、
二日目の午前は、
羅臼湖トレッキングに参加→知床旅情 (4) 羅臼湖トレッキング 




雨の中、
大した距離を歩いたわけではないけど(6キロくらい)、
それなりに疲れた体を休める間もなく、
一時間弱の休憩を経て、
第二のトレッキングへ。




次の目的地は、




知床五湖。




前日に、
コンシェルジェの佐藤さんにいろいろ話を聞いて、
知床に来たら、
知床五湖に行かなきゃ!って話になって、
急きょ、
ツアーに申込み。




実は、
5/10~7/31は、
ヒグマ活動期にあたるため、
ガイドツアーに申し込んだ人だけが歩くことができる。
しかも、
事前にレクチャーも受けなければならない。




いや~、
そんなにヒグマに出会うんですかあ?とか、
他人ごとみたいに考えていたら、



CIMG3627




ヒグマがいたあ!!!!!





車で五湖までの道を走っていたら、
ハザードランプをつけて路肩に停まっている車がいまして、





コンシェルジェの佐藤さんが、





「路肩に停まっている車を発見したら、ヒグマがいる可能性大なので、注意してください」




って言ってたんだけど、
その通りだった!





アホな私は、
カメラ持って車外に出ようとして、
ガイドさんに、
全力で止められました。





これは、
母熊で、
実は、
よ~く目をこらして見ると、
木の上に、
小熊を上らせているところ。




この母熊は、
なんと!
三匹の小熊の子育て中。




ガイドさんによると、
三匹の小熊は今年の1月に生まれたんだとか。




最近、
同じ場所で、
よく目撃されているそうです。





このことがあって以来、
右見ても左見ても、
木の洞(うろ)が熊に見えてしまって。




だって、
黒いじゃない?





ガイドさんによると、
熊は真っ黒で、
木の洞は茶色がかっているから、
間違えることはないっていうんだけど、
ずーっと一日、ビクビクしてました。






それにしても、
知床国立公園に入ってすぐ、
ヒグマに遭うなんて(しかも車の中から)、
なんてラッキーなんでしょう!





もっといいカメラ持ってたら、
ばっちり写っていたんだろうけど、
満足、満足・・・





Victoriaでした。

 

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